果樹苗木・成木の手入れについて
さて、このメールをお届けしている方は、当店で苗木をご購入頂き、日々手入れをされていると思います。今月もこの月の手入れのポイントについてお伝えしたいと思います。
常緑樹と落葉樹、また樹種、露地植え、鉢植え、地域や樹種により多少かわってくるのですのですけれど できるだけ、どの果樹にも共通することをお知らせしていこうと思います。
寒い地域の方は、こちらに記載よりも少々早めに作業をしてくださいね。
▼果樹苗木 12月の手入れ
今年も昨年に同じく、寒くなるのが1週間から2週間くらい遅めとなっています。
油断していると急に寒さがやってきます。霜が来る前に冬支度を完了しましょう。
木枯らし一番が11月末~12月初旬に吹き、その後落葉がほとんどの落葉樹で完了します。
気温が低くても根は活動をしています。また養分も吸収されています。
梅はすでに花芽がわかりつつあります。
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◎12月の落葉樹
防寒:落葉樹は特に必要ありません 寒さに弱いイチジクだけは株元と枝を防寒します
剪定:剪定適期です
昨年のメルマガに剪定について簡単に記載しています。ご参照ください。 こちらから
肥料:お礼肥 一年間よく成長してくれた、実をつけてくれたお礼に冬の寒肥(お礼肥)をやります。毎回お伝えしていることですが、肥料のやりすぎは、木を大きく立派にはしてくれますが、結実につながりませんのでくれぐれも気を付けてください。
◎ウメ:梅の施肥は、そばで野菜や草花を育てていて肥料をやっていれば特に施肥の必要はありません。生育状況をみながら、ぶきぶきと元気な枝がでているようなら施肥はストップします。毎年結実して短くて弱い枝しか伸びていなければ施肥を多めにします。梅の施肥はするなら11月下旬には行います。 寒冷地では、防寒をしましょう。主な幹にわらか新聞紙を巻きます。また株元の地面にも藁を敷きます。
露地植えの12月の管理・作業
・水やり ほどんど必要はありませんが、2週間以上晴天が続いた時は人為的な水やりをしてやります
・肥料 お礼肥えを施していなければ施します やりすぎは禁物です
・剪定 剪定の適期にはいります 落葉しているときは枝ぶりがわかりやすくやりやすいです
・移植、植え付け 落葉したら植替え、植え付けの適期です 地面が凍らない地域では実施してください 地面が凍ってしまう地域では、暖かな日を選ぶか2月末ごろに実施します
鉢植えの12月の管理・作業
・置き場 冬の間、霜には何度かあてるようにします 鉢の土が全体に凍るようなら鉢の土が凍らない場所に移動しましょう 土の表面が凍る程度ならその場所でも大丈夫です
・水やり 鉢の土の表面が白く乾いたらやりましょう 日中に水やりはしましょう
・肥料 お礼肥えをしていなければ、今月施してください 10号鉢ですと50グラム程度
・剪定 落葉したら剪定しましょう
・植え付け・植え替え 落葉したら植え替えて大丈夫です
◎12月の常緑樹(カンキツ(柑橘)類、ビワ等)
◎カンキツ類の防寒 (ユズ類を除く)
本格的な寒さがやってきます。カンキツ類は、防寒が最も大切といわれています。
温州みかんは完熟していますからすべてとってしまってください。
ハッサクや甘夏など寒い地方では年内に収穫し、貯蔵するようにしましょう。
また薬を使っている方は、防寒をする前に病気や害虫の薬剤を散布します。
柑橘類の防寒は、ビニールではなく、藁や寒冷紗など通気性のあるもので覆います。覆ってしまうと光がさえぎられて成長に影響があると思われるかもしれませんが、冬の間は光合成はそれほど盛んではないので、光を遮っても問題はありません。防寒をしましょう。防寒しないで葉を落としてしまうより、日光が当たらなくても防寒をして葉が落ちないように、葉をつけたままがよいのです。
◎ビワ
ビワは、ちょうど今つぼみがついているところです。これから冬の間つぼみから花を咲かせます。摘蕾を適切にして、大きな実がとれるようにしましょう。
《ビワの摘蕾方法》
まずは花房の先端部から1/2までの蕾を切り取ります。次に花房の中間3~5段目の蕾を残して、下部2段の蕾を切り取ります。残した花房の中間3~4段目の蕾の1/2を切り取ります。最後に花房数を1/2~1/3まで減らします。かなり蕾をとってしまうことになりますけれどより大きな実をとりたい場合は、摘蕾はしてください。 茂木ビワ・長崎ビワ・田中ビワでは果物農家の場合は摘蕾をする方法が多少異なるようですが家庭果樹では上記の方法でよいと思います。
※摘蕾とは:ビワなどたくさんの蕾を付ける樹種のものは、蕾の数を制限して大きなよい花が咲き、実がなるようにします。また幼苗の時も、たくさん花をつけると養分をすべて吸われてしまいますので、枝葉に養分をいかすために、蕾を取ってしまうほうが今後の成長にはよいのです。
◎フェイジョア:当店では、11月20日ごろに収穫を終えました。油断していたら、地面に落ちていました。落ちているのを拾っての収穫となりました。フェイジョアはキウイに同じく、実が硬いまま収穫をし、その後10日~2週間、新聞紙などに包んで常温に置き、追熟させて、果実を上から指で押してみて柔らかくなったら半分に切ってスプーンで食べます。比較的寒い地方でも育てられる、南国の香りがする希少な果実です。
フェイジョアは、病虫害も少なく、成長も旺盛で、育てやすいです。今年はマンモスという品種がとても大きく充実した実ができました。食べるのが楽しみです。
露地植えの12月の管理・作業
・水やり 必要ありませんが1週間も雨が降らなければ人為的に水やりをしましょう
・肥料 先月肥料をやっていなければ、成木は1本あたり100グラム程度の肥料をあげます。 樹冠の外周の下を幅30センチ、深さ15から20センチに円周上に溝を掘り、肥料を施したあと溝の上に土をかぶせます。
・収穫 実の大きな甘夏みかん、ハッサク、キンカンなどは冬場凍害が出ない地域ですと冬の間も実をならせ続けます 木なりみかんという名称で甘くおいしいという触れ込みで最近は販売されています
・剪定 行いません
・植え付け 植え付け・移植 温暖地を除いて植え付けは3月まで待ちましょう
・防寒 幼木には防寒を必ずしましょう
鉢植えの12月の管理・作業
・置き場所 暖かい場所に置きましょう
・水やり 乾いたらやります 一回の水やりはたっぷり鉢底から水が流れるまでやりましょう
・肥料 葉の色を見て黄色いようなら追肥をやります 葉の色が濃ければやりません
・剪定 行いません
・植え替え・鉢替え 12月は行いません
・防寒 鉢植えの場合は防寒のため鉢ごと土に埋めたりもします またわらや寒冷紗を枝をくくってかぶせます