当店では過去にも参考になる記事を色々掲載しています。
2019年4月号 剪定や樹形、枝関連の専門用語について
2018年4月号 〜確実に実をならすには、人工授粉を〜
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
〜摘蕾、摘花、摘果について〜
今月は、春の作業の一つである 花が咲く前の蕾や花、果実を間引く「摘蕾」についてお伝えします。
毎年実を楽しむためには、隔年結果を防がなければなりません。
*「隔年結果」とは、一年おきに豊作不作を繰り返す現象で、ミカンやリンゴ、 カキなどで顕著に見られる。豊作年を表年、不作年を裏年ともいう。【現代農業用語集 ルーラル図書館より引用】
「摘蕾」とは大きな実をつけさせるために、ならせすぎを抑えるために、蕾を選別して除去し、結果制限をする作業のひとつです。蕾を間引く「摘蕾」(てきらい)の他、花を間引く「摘花」(てきか)、果実を間引く「摘果」(てきか)の3段階があります。
一番効果的なのは摘蕾です。が樹種によっては、蕾を間引いた結果よい果実を間引いてしまう可能性もあるので、確実にということになると摘果が確実になります。
また、遅霜がある地域や、木が弱っている場合の果樹は、あとで発生する生理落下などを考えて多めに残し、摘蕾は様子をみながら果実の形がみえてから除去する摘果がよいと思います。
摘蕾の目的は2つあります。
1つめは、蕾の数を減らすことで、果実を大きく育てること
2つめは、養分を吸う果実の数を制限することで、木の枝や根、幹への負担を減らし木にも栄養をいきわたらせることができます。
◎柿:蕾は親指で軽く押すだけで容易に取り除くことができます。柿は1枝に4〜5個の蕾がつきます。その中で、枝の中央部のへたの大きなものを残すのがよいです。
◎桃:桃は大量に花をつけるので摘蕾が必要な果樹です。
JA岡山西の桃の摘蕾の記事が秀逸でした。品種ごとの考え方や短果枝や中果枝等枝ごとにどの蕾を除去するかイラスト等で丁寧に書かれています。
[JA岡山西 桃の摘蕾の記事]
◎梅:梅は果樹の中でも一般的には摘蕾、摘果などはしません。が、大粒系(白加賀、南高)にたくさん結実しすぎた場合は、実を大きくするのに摘果する場合もあります。
◎スモモ:スモモもなりすぎる傾向がある木の場合は摘蕾、摘果します。短果枝(20センチ以下)で1〜2果、中果枝(40センチ以下)で3〜4果、長果枝(70センチ以下)で5〜7果を目安にします。摘蕾で一度に制限するのではなく、摘蕾、摘果(2回)くらいの合計3回にわけて調整するほうが、小玉や劣果がしにくくなります。
◎ビワ:以前に当店で記述しているので下記をご参照ください