苗木の手入れについて
さて、このメールを読んでくださっている方は、当社で苗木をご購入されて、
日々手入れをされていると思います。
今月も5月の手入れについてお伝えしたいと思います。
おつきあいくださいませ。
▼果樹苗木 植え付け後の5月の手入れ
若葉が美しい季節となりました。色あせていた葉も生き生きし始めます。
また新芽もぐんぐん伸び出しそれと共に虫の動きも活発となってきます。
◎5月の落葉樹
◎ウメ:今月の中旬は、ウメの木の栄養の交代時期でもあります。前年枝幹や根に蓄えられた貯蔵養分は、このころまでに使い尽くされ、これからは今年伸びた葉の働きでできた養分で生育するようになります。果実の核が固くなるこのころは第二次生理落下の時期でもあります。根の成長は、新芽が盛んに伸長しているときは盛んではありませんが、新芽の成長が落ち着く下旬ごろから再び盛んにのびはじめます。
(NHK趣味の園芸 よくわかる栽培12か月 ウメ より)
◎カキ:冬の剪定で切った太い切り口から何本もの新芽がでてきます。こうした新芽はほっておくと樹形を乱すので基部から除去するようにします。このとき元のほうを残す中途半端な切り方をすると残った部分からまた強い枝(徒長枝)が何本も伸びますから基部(ぎりぎりから)確実に切り取ります。 また、新枝が密生している部分では間引きをします。また、あいている空間があれば近くのよい枝を誘引してやります。
5月中旬ごろには柿も花が咲きだします。柿はタネができなくても実がなる単為結実性(たんいけつじつせい)という性質がありますが、実際にはタネができないと生理落下する品種も多いので人工授粉ができるようならしてみてください。晴れた日に、雄花の花粉を指で揉んで花粉を集めて、耳かきの羽毛にこの花粉をつけて、雌花の先端にこすりつけます。雌花は花の下のほうがぷっくりと膨らんでいます。雄花をつける品種は禅寺丸や筆柿、西村早生、甘百目、久保などです。
(参考NHK趣味の園芸 よくわかる栽培12か月 カキより)
◎クリ・スモモ・アンズ 他 落葉果樹:アブラムシなど害虫が発生しやすい時期です。薬剤散布をしなければやむを得ない場合もあります。早めに手で除去できる程度なら水道水や手で除去してください。全体を覆うように被害がでてしまいますと即効性の殺虫剤を一時的にやるしかありませんが、収穫期が迫ってきている場合は薬剤の散布回数、散布時期をよく確認してから使ってください。
◎モモ:摘果、袋かけの時期です
露地植えの5月の管理・作業
・水やり ほとんど必要ありません あまり乾くようなら水やりをしましょう
・肥料 果実をつけ始めている場合は下旬に追肥をします 今期に植え付けをしたものは、肥料はまだやらないか少しでよいです
・剪定 枯れている枝や込み合っている部分は取り除きます
・除草 草が小さなうちにまめに引くようにしましょう
・移植、植え付け 行いません 鉢物やポットものは移植できますが柔らかい新芽が伸びているときは避けましょう
鉢植えの5月の管理・作業
・置き場 日の良く当たるところに置きましょう
・水やり 鉢の土の表面が白く乾いたらやりましょう
・肥料 定期的にやるようにしましょう
・剪定 不要な枝がでてきたら取り除きます
・植え付け・植え替え 行えますが、柔らかい新芽ができている時期は避けましょう
◎5月の常緑樹(カンキツ(柑橘)類、ビワ等)
カンキツ(柑橘)類は、4月末から新芽と花芽を同時くらいに伸長しはじめます。
5月初旬ごろからは開花もしはじめ、5月末には幼果ができてきます。
6月にかけて果実を大きくするための重要な時期となります。 新しい根も伸ばし始めます。
◎レモン:レモンは開花中の花を間引かず、幼果が現れてから間引きます。落花が多いため。 若い葉に白い線状の跡が見られたらそれは「ミカンハモグリガ」(通称エカキムシ)の仕業です。幼虫が葉の中にいます。数が少ないようなら指で押しつぶすと殺せます。
◎ビワ:ビワは幼果から果実へと変化する時期です。袋かけまだの方は急ぎましょう。6月中旬ごろの収穫に向けて楽しみになります。
露地植えの5月の管理・作業
・水やり 雨が一週間も降らない場合は人為的に水やりをしましょう
・肥料 追肥をします(樹冠の外周の下を幅30センチ、深さ15から20センチに円周上に溝を掘り、肥料を施したあと溝の上に土をかぶせます)
・摘果 木を大きくしたいときは、花に使われる養分を節約し枝葉につかわれるように特に幼木の場合は摘蕾、摘花をするようにします(花もお吸い物に入れて香りが楽しめます)特に植え付けてから2~3年は果実は少しずつ付けるにとどめ、木の骨格を育てるようにしましょう
・収穫 甘夏みかん、夏みかん、ダイダイなどはそろそろすべて収穫しましょう
・剪定 この時期は行いません。枯れ枝やあまりに込み合っている場合は取り除きましょう
・植え付け・移植 行いません
鉢植えの5月の管理・作業
・置き場所 日当たり、風通しのよいところに置きましょう
・水やり 乾いたらやります。枝葉を伸ばし花をつけるにはたくさんの水分がいります。水不足にならないようにしましょう。(かといっていつも湿っているというようなやりすぎは禁物です)
・肥料 4月にやらなかった場合は肥料をやりましょう
・剪定 行いません
・植え替え・鉢替え 行いません
《緩効性の肥料の目安(レモンの場合)》
レモンは柑橘類の中でも肥料を多く必要とする果樹です。
ただ、肥料をやりすぎると肥やけを起こして枯れてしまったり、
まだしっかりと根付いていないのに肥料ばかり多くてという場合もありますので気をつけてください。
下記の施肥は幼木を植え付けてしっかり根付いた2年目くらいからのものと思ってください。
肥料をやりすぎると枝葉ばかり茂りますが足りなくてもいけません。
こちらは白い粒の緩効性肥料の施肥量です。
粒になっていて匂いもなく、虫もわきにくいので追肥に最適です。
油粕や牛フン、鶏糞は使い方によっては、どうしても匂いが強かったり、
肥料成分が安定していなかったり、虫の温床になったりする場合が多いです。
有機でやりたいという方も多いですが、慣れるまでは化学肥料のほうが安定します。
粒が残っていても、肥料の効き目は2カ月ほどでなくなります。
▼レモンの庭植え/5月~11月まで2カ月に一度追肥をします
樹冠直径 |
施肥量 |
50cm |
20g |
1m |
30g |
2m |
100g |
4m |
500g |
枝が広がる一番外側の範囲の直径(樹冠といいます)を目安にします。
また施肥する場所も樹冠と主幹の間にぱらぱらとまきます。
樹冠の外側ぐらいまで木の根がのびています。
▼レモンの鉢植え/5月~11月まで2カ月に一度追肥をします
鉢の大きさ |
施肥量 |
8号(24cm) |
6g |
10号(30cm) |
9g |
15号(65cm) |
18g |
《動画のご紹介》
季節の作業を色々調べておりましたら最近は動画もたくさん作られていて自由に見られることに最近気づきました。(今頃(笑))
特に剪定の作業など文章ではお伝えしにくいのですけれど、わかりやすく映像で説明されている動画がありましたのでご案内したいと思います。
が、最近のインターネットは適切な情報と適切でない情報も混在しているのでどれを信用していいのか難しいところです。
また農作業は人によって考え方が色々ありますので、一つの参考としてください。
〇桃の摘果作業
https://www.youtube.com/watch?v=iqGAi_R2bDg
こちらわかりやすいです。
〇ビワの袋掛け
https://www.youtube.com/watch?v=X_vnFsjcF_Y
ビワの袋かけもこの時期まだ間に合うと思います。
〇ウメ・モモ・スモモの剪定講座【梅、桃に花をつけ実をならせる切り方】
https://www.youtube.com/watch?v=P9g8gB0wqF0
ちょっと時期がもう遅いのですけれど 剪定についてとても分かりやすく説明されているのでみてみてくださいね~はじめは??でも、何度も見ているうちになんとなくわかってくると思います。