苗木の手入れについて
さて、このメールを読んでくださっている方は、当店で苗木をご購入されて、日々手入れをされていると思います。今月もこの月の手入れのポイントについてお伝えしたいと思います。
常緑樹と落葉樹、また樹種、露地植え、鉢植え、地域や樹種により多少かわってくるのですのですけれど できるだけ、どの果樹にも共通することをお知らせしていこうと思います。寒い地域の方は少々早めに作業をしてくださいね。
先月お送りした10月の手入れにあまり変わりはないのですが少々変わるところもあります。
▼果樹苗木 植え付け後の11月の手入れ
11月に入りますと気温が一気に降下し、平年ですと下旬には初霜がおります。
葉は次第に落葉をはじめ、下旬ごろから散り始めます。
今年も夏場の猛暑の影響で落葉も早いようです。
落葉の時期は樹種によりかなり差があります。また鉢植えは、より早く落葉する傾向があります。
◎11月の落葉樹
今月下旬ごろから徐々に落葉をしはじめます。 寒さに弱い樹種の幼木(柿・イチジク・梅など)は、そろそろ防寒をはじめましょう。
◎ウメ:梅の施肥は、そばで野菜や草花を育てていて肥料をやっていれば特に施肥の必要はありません。生育状況をみながら、元気な枝がでているようなら施肥はストップします。毎年結実して短くて弱い枝しか伸びていなければ施肥を多めにします。梅の施肥はするなら11月下旬には行います。 寒冷地では、防寒をしましょう。主な幹にわらか新聞紙を巻きます。また株元の地面にも藁を敷きます。
◎カキ:収穫時期です。早生、中生の品種は終わりましたが、富有柿は11月からの収穫となります。
◎クリ:台風の影響もあってか今年の当店のクリの収穫は少なめです。そろそろ丹波栗の中心的品種銀寄の収穫がはじまります。クリは収穫時期が早生(森早生・丹沢)は8月下旬、中生が(筑波・銀寄)9月末から10月初旬、晩生が(石鎚・岸根)が10月初旬から中旬です。
◎キウイ:収穫時期です。早生の品種は急ぎ収穫しましょう。ヘイワードは11月の霜が降りるまでには収穫をし終えましょう。
◎ナッツ類:ピーカンナッツやクルミ類はそろそろ落下しはじめます。拾い集めて外の殻がはずれるまでは雨水にあてておきましょう。外の殻がはずれたら洗って日陰で干して保管しましょう。
◎イチジク:収穫が終わりましたら、わらで株もと、幹の防寒をしましょう。幹から木くずが出ていないかも確認します。木くずがでていれば幼虫がいる可能性が高いですから、針金を穴から突っ込みまずは幼虫を殺し、そのあと、ノズル付きの殺虫剤を噴霧します。 剪定は落葉後に行います。できれば2月中旬までには行います。特にイチジクは剪定をしないとどんどん木が巨大になりますから、必ず毎年剪定して収穫がしやすいようにしましょう。
◎カリン・マルメロ:収穫が終わりましたね。果実酒にしたり砂糖漬けにしたりします。
◎ザクロ:ひこばえといって地際からたくさんの枝がでてきていたり枝が混みあってきていると思います。不要な枝は間引き剪定をしましょう。
◎サクラ類:落葉後すぐに剪定することは避けましょう。落葉後少なくとも1ヵ月は木を休ませ、枝の先端まで充実した枝になるように待って、12月から剪定をします。
露地植えの11月の管理・作業
・水やり 必要ありません
・肥料 木の勢いをみながら肥料を施します 枝葉ばかり茂っている木には控えめにしましょう
・剪定 葉が落ちたら剪定をし始めてください
・除草 雑草を放置しますと、通気性が悪くなり、病気の発生を助長することになります 施した養分も雑草にとられてしまいますので、早めの除草をしましょう
・移植、植え付け 移植する場合は落葉樹後に掘り取ります 植え付けも行えます
鉢植えの11月の管理・作業
・置き場 日の良く当たるところに置きましょう 落葉樹は、部屋の中など暖かいところに置きすぎると花芽を付けてくれない場合がありますので、寒さには十分あてましょう
・水やり 鉢の土の表面が白く乾いたらやりましょう。毎日の水やりは必要ありません。
・肥料 お礼肥えをしていなければ、今月施してください 10号鉢ですと50グラム程度
・剪定 まだしません
・植え付け・植え替え まだ葉をつけている場合はしない方がよいです
◎11月の常緑樹(カンキツ(柑橘)類、ビワ等)
温州みかんの収穫が10月中旬ごろからはじまり根の伸びが低下していきます。 フェイジョアも収穫時期です。落下しはじめる直前が収穫適期です。フェイジョアも枝が折れやすいので雪が降る地方の場合は 雪で枝が折れないようひとくくりにしましょう。 ビワは花芽をつけています。摘蕾をしましょう。
◎レモン:そろそろ黄色く色づいてきます。完全に色づく前でも香りはとてもよいので青いうちに収穫して青いレモンを楽しむのも一考です。
◎キンカン:そろそろ黄色く色づいてきます。寒さの厳しい地方では実は冬越しは難しいですが、暖かい地方では春を過ぎても結実の黄色を楽しむことができますね。
◎ヤマモモ・フェイジョア:枝が柔らかいので雪が積もる地方の場合はひもでひとくくりにして防寒を兼ねて支柱に縛り付けておきましょう。
露地植えの11月の管理・作業
・水やり 必要ありませんが1週間も雨が降らなければ人為的に水やりをしてください
・肥料 今月収穫した木もまだ収穫をしていない木も成木ですと1本あたり100グラム程度の肥料をあげます 樹冠の外周の下を幅30センチ、深さ15から20センチに円周上に溝を掘り、肥料を施したあと溝の上に土をかぶせます
・収穫 適宜行います
・剪定 行いません
・植え付け 新苗や大苗の植え付けの適期です
・移植 行えますが、一旦露地に植え付けた苗木はできればそのまま育てましょう 幼苗を植え付けて1年目くらいまででしたら大きめに掘り取れば移植は可能です 2年以上経ちますと経験がないと難しくなります
鉢植えの11月の管理・作業
・置き場所 太陽光線に当ててください
・水やり 乾いたらやります 一回の水やりはたっぷり鉢底から水が流れるまでやりましょう
・肥料 葉の色を見て黄色いようなら追肥をやります 葉の色が濃ければやりません
・剪定 行いません
・植え替え・鉢替え なるべく寒くなる前に行いましょう 常緑樹は寒い時期よりは暖かい時期、暑くなる前までが移植に向いています
・防寒 鉢植えの場合は防寒のため鉢ごと土に埋めたりもします またわらや寒冷紗を枝をくくってかぶせます